食べ物の食べ物で食育

豚肉の例

食べ物の食べ物!?
ちょっとピンとこないかもしれません。

日本の食料自給率の話では、豚肉の自給率(国産割合)は52%と学びましたね。
日本の食料全体の自給率39%の中では、まぁまぁ高いといえるでしょう。

しかし、この豚が食べる食料である飼料の自給率をみてみると、
なんと、たった5%でしかありません。

私たちが、国内で消費する豚肉を100とした場合、外国から輸入された豚肉が48%、
輸入飼料を食べて国内で育った国産豚が47%にもなります。

国産の飼料を食べて国内で育てられた豚はたった5%というわけなのです。
豚肉は国産が52%といっても、実は輸入飼料を食べて育った豚が多くを占め、
純粋に国産飼料で育った豚は、わずかな量しかいないのです。

豚が食べる飼料には、大豆やとうもろこしなど色々とありますが、
大豆やとうもろこしというのは、輸入に頼る代表的な自給率の低い作物といえます。

最近の輸入穀類や飼料の高騰で、コストが高くなり、養豚農家は大変でした。

穀類や飼料の値段が上がったのは、干ばつなどにより、
とうもろこしや大豆が不作だったから。いえいえ、それだけではありません。

世界的な人口増で、とうもろこしや大豆へのニーズが高まっているから。
もちろん、それもありますが、それだけで価格が高騰したのではありません。

環境問題です。
どういうことか、直ぐに分かりますか?

地球温暖化と食育

世界規模で地球温暖化防止への取り組みが進められています。
石油や石炭などCO2を排出するエネルギーに代わり、太陽光発電、水力発電、
風力発電などの自然エネルギーへの移行に加え、バイオエネルギーといった、
とうもろこしや大豆など作物を利用してエネルギーを作るといった研究も進み、
CO2を排出しない環境に優しい代替エネルギーへの期待が高まっています。

石油などの化石燃料が枯渇している面もあり、バイオエネルギーへのニーズは高まるばかり。

そこで、その原料となる、とうもろこしや大豆は、食べ物や飼料としてだけでなく、
バイオエネルギーの原料そしても、買い手が殺到し、価格が高騰してしまったというわけです。
ここにも、環境の問題があったのです。

食料となる作物と環境の問題は、新しい技術の開発により、どんどん深くなっているようです。
現在の日本の39%という極端に低い食料自給率において、国産だけで食事をするとした場合、
卵は7日、つまり、1週間に1個だけと制限が加わっていましたが、
実際のところ、卵の国産割合、自給率は95%と優秀なのです。

生ものですし、割れやすいですから、海外から運んでくるのも大変ですしね。
しかし、自給率が95%のはずの卵が、週に1個しか食べられなくなるのは、
なぜなのでしょうか?

これは、豚肉の場合と同じです。
鶏も、そのエサ(飼料)をほとんどが輸入された飼料を与えているため、
飼料の自給率を勘案した卵の自給率はたった10%になってしまうのです。

そのため、飼料の輸入ができないとして、国産の飼料のみで鶏を育てた場合、
卵は1週間に1個しか食べられなくなるということになってしまいます。

海外からの食料や飼料の輸入ができるからこそ、卵は1個20円〜30円くらいで購入できて、
栄養価の高い食材として重宝されていますが、もしも、何らかの事情で、
海外からの輸入ができなくなったとしたら、卵の値段は暴騰するかもしれません。

私たちが食べる食料の自給率を向上させるのはもちろんのこと、
食べ物の食べ物である飼料作物の国内生産を拡大する、というのも必要なのです。
食を学ぶ。食育は奥が深いです。