賢い消費者になる

うなぎ編

食品表示の基本について学びましたが、
食品表示は、意外と奥が深いのです。
食育を学ぶ上で、賢い消費者になることは、大切なことです。

例えば、ウナギの蒲焼です。
過去には、中国産を国産と偽装表示するという事件が何回か起きています。

中国毒餃子事件の後、一時、中国産が敬遠されていた時期があったり、
国産ブランドとしたほうが高値で売れる、などの事情から、偽装してしまった、というものです。

そもそも、ウナギの産地はどのように決まるのでしょうか。

魚の場合、漁獲した水域、その記載が難しい場合は水揚げ漁港の属する地域名、
輸入品の場合、漁獲した船籍名などによって、産地表示がなされます。

養殖の場合は、養殖場の属する都道府県名の表示が必要です。
養殖の輸入品の場合は、国名の表示が必要です。

ウナギの場合、ほとんどが養殖であるため、養殖されたのが何処であるかが、重要になります。
しかし、ここで驚きなのが、ウナギはお引越しを何度もしている場合があるということ。
一般の消費者には、そんな事、知る由もないですね。

ウナギは、数度に渡り、日本と中国とを行ったり来たりして輸送コストをかけても、
中国で育てる期間があったほうが、全体的にはコストを抑えた生産ができるそうなんです。
実際に、産地の表示についても、肥育期間のうち、
もっとも長い期間が国内であったかどうかで決まります。

例えば、海外の養殖場で生まれて5ヶ月間養殖され、その後、再び日本に運ばれて6ヶ月間、
日本の養殖場で大きく育てられてから出荷されれば、それは国産なのです。

これは、産地偽装ではなく、日本の法律上、認められた表示なんです。

牛肉編

また、牛肉の場合も、期間が一番長く肥育されていたところが産地と表示されます。
有名な松坂牛も、産まれ育ちが松坂ではなく、全国各地から厳選された子牛を松坂に運び、
そこで、一定期間、松坂牛と呼ぶにふさわしい基準に基づいた飼育を行うことで、
松坂牛として出荷されます。

これも偽装でも何でもなく、明確なルールに基づいています。
沖縄に観光に行ったとき、うちの石垣牛は、松坂にも出荷している!
と誇らしげに語ってくれた牧場主の方がいたくらいです。

ちなみに、松阪牛の中でも、兵庫県産の子牛を松阪の牛生産地域で900日以上、
長期にわたって肥育した牛については「特産松坂牛」とされ、松坂牛独特の甘味のある肉質が
保証されているそうです。なお、牛肉には、1頭、1頭に個体識別番号が付されています。

この番号は、牧場からの出荷から、と殺、解体、小分けされ、スーパーなどで
スライスされるに至るまで、ずっと、記録し、引き継がれていく番号になります。

スーパーに並んだスライス牛肉のパックにも、ちゃんと番号が掲載されています。
ぜひ、チェックしてみてください。

賢い消費者になるために

店頭に置かれた端末や、ネットなどで牛の個体識別情報検索サービスを利用して、
この番号を入力すると、出生の年月日、雄雌の別、母体の個体識別番号、種別(品種)、
飼養場所の履歴の検索ができます最近では、豚肉でも番号付けを実施するようになっています。

また、野菜などでも、生産履歴から流通経路などを追えるバーコードが付されていたりしますね。
野菜には、生産者の写真や名前が入ったものも多くなってきています。

品質と安全を生産者自ら自信をもって保証してくれているようで、
安心して購入することができますね。

こうしたトレーサビリティシステムが発展していくのが、消費者としては、望ましいと感じます。

スーパーで食材を買い求める際も、ただカゴに放り込むのではなく、パッケージなどに
示された情報に目を向けてみたり、生産履歴や流通履歴を確認してみましょう。

家族の健康や安全を守り、安心して美味しく食べるためにも、国産を購入して、
日本の食料自給率アップにつなげるためにも、心がけてみたいものです。